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マイナビ2018
「ひらがな」なオーナー日記

ますも証券のオーナー益永が綴る
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ひらがなな会長の、8コマ人生劇場

2016年11月1日発刊!
第3弾「ひらがなな会長の、8コマ人生劇場」

これまで書き貯めてきた、たくさん頂いたアドバイスを田島マサヒロさんの8コマ漫画で分かりやすく描きました。

週刊よもやま話
「ひらがな」な社長の毎日
マーケットコラム一覧
2017年04月

2017年04月14日

「市場を診る」


 トランプ米政権はシリアへのミサイル攻撃に続きアフガニスタンに非核型の大型爆弾を投下し「イスラム国」掃討へ手を打った。復活祭前のNY株式市場は慌ただしくなり、約2ヵ月ぶりの安値をつけ、リスク回避の動きが鮮明となった。これを受け日経平均株価が年初来安値を更新するなど軟調に推移した。ただ、徐々に反発機運の動きも見え始め、先週末の新たな地政学リスクが台頭した際も為替の面で円高が限定的な動きを見せていた。
 新年度は新たな資金流入や業績期待での海外勢の買いが増加する傾向にあり、8週間ぶりに日本株を買い越してきたことにも注目したい。18日の日米経済対話で、米貿易赤字について踏み込んだ議論になれば円高圧力の一因にもなりかねないが、本年度の大企業製造業想定為替レート108円43銭を大幅に超えた円高にならなければ国内製造業の業績期待につながろう。

2017年04月10日

「「米国によるシリア軍攻撃!!」」

「米国によるシリア軍攻撃!!」イメージ1
 米国は4月6日夜(日本時間7日)、シリア軍に対して巡航ミサイル「トマホーク」を発射した。
シリアが化学兵器を使用したとされる問題に対する報復措置として、軍事作戦に踏み切った。
これを受けて、7日の日経平均は一時18,500円水準まで下落、為替市場では1ドル=110円近辺まで円高が進行した。

このタイミングは、習近平訪米時に重なり、トランプ政権は軍事力の行使に躊躇しないことを習主席に目の前で見せることになった。
また、これは中国に対して、北朝鮮問題で本腰を入れなければ、従来から言っていたように北朝鮮に対する軍事介入もあり得るのだということを示すのと同時に、中国の南シナ海での挑発的な行為に対して圧力を加えることを狙っていたものであろう。

これまで、トランプ大統領が就任してから三週間、連日のようにメディアの前で20以上もの大統領令に署名するパフォーマンスを見せ、選挙公約を実現するにあたってリーダーシップを発揮する様子を見せた。
しかし、三権分立が最も際立った米国の政治システムでは、大統領令のみで政策を実現できるようなものではない。
先般、中東七カ国の国民の入国を一時凍結するという大統領令は司法府から差し止められた。
また、オバマ政権でつくられた健康保険制度、オバマケアを廃止に追い込む法案は議会で廃案となった。
このように、選挙公約の多くが実現できず、大統領の指導力が疑問視されているなか、今回のシリア空爆は強いリーダーシップを見せる絶好の機会となり、
1.国内政治状況の打破
2.オバマ政権と違い強いアメリカを標榜
3.中東における影響力の回復
4.北朝鮮と中国に対する圧力
を狙ったものと考えられる。

今後の相場は、この地政学リスクの高まりやトランプ大統領の政策実行力に対する懸念が影響しレンジ推移が続きそうであるが、4月末の決算発表のシーズンを向かえ、このあたりから相場も動機付く可能性があるとみている(高島正幸)。

2017年03月

2017年03月24日

「市場を診る」


 米連邦公開市場委員会(FOMC)が今月15日開催され、FRBは事前の予想通り、昨年12月に続く利上げを決定した。イエレン議長の会見では「緩やかな」利上げペースが強調された内容となっており、市場では米長期金利が急低下し、為替市場ではドル安・円高が進行した。米長期金利の上昇一服によって円安の流れが一巡し、日経平均の動きも当面は1万9000円前後でのもみ合いが続くだろう。
 日経平均が上昇に転換するには日本株独自の好材料が必要となるが、来期の業績拡大期待があらためて高まるかが注目される。3月期決算企業の中には、第3四半期時点で通期計画を据え置いた企業も散見され、本決算に先駆けて上方修正が発表される可能性もある。今後は、国内企業の業績拡⼤期待があらためて高まることも見込まれ、その場合、⽇経平均は2万円の⼤台をトライする展開も期待される。

2017年03月24日

「遂に英国 EU離脱通告!今後のゆくえは?」

遂に英国 EU離脱通告!今後のゆくえは?イメージ1
 先般3月20日、英国政府は声明を発表し、今月29日に欧州連合(EU)に対して正式に離脱通告する旨を明らかにした。
昨年の6月23日に実施された国民投票で離脱を決定してから9ヶ月が経過し、遂にEUとの交渉が始まる。
しかし、これはあくまでも英国側の準備が整ったこと意味するだけで、EU理事会と欧州委員会が交渉の方針を決めるのには、まだまだ時間がかかりそうだ。
実際のところ、EUの実質的な最高意思決定機関であるEU理事会が離脱交渉の指針を示すが、これらのプロセスで2~3ヶ月かかるため、交渉が始まるのは早くても5月下旬から6月初旬となろう。
ただ、この時期は、仏独選挙を控え、選挙活動がピークを迎える時期にあたる。さらに加えて、秋にかけてはドイツの総選挙が控えており、これらEU主要2ヶ国が離脱交渉に集中するには困難な時期となる。したがって、協議が本格化するのは9月から10月になるだろう。
市場の関心は、各産業における新たな貿易協定や、域内で自由に金融業務ができるEU単一パスポートの今後の在り方などであるが、EU側が重視しているのは600億ユーロと推測される未払いのEU予算分担金、いわば「手切れ金(Exit Bill)」である。
EUは2020年までの各国の予算配分を決めており、加盟各国から合意を得ている。英国が自国の都合で途中退場するにもかかわらず、金銭的な負担なしで離脱を認めるのは不公平である。
というのも、英国は1973年に欧州共同体(EC)に加盟し、それ以来ECもしくはEUの職員は各加盟国および英国のために奉仕してきており、英国はその恩恵を享受してきている。具体的には、もらえるものはしっかりもらい、このような職員に対して年金等を英国が一切払わないのは不公平である。
離脱交渉で決まったことは、英国議会と欧州議会でそれぞれ承認を得なければならない。これら諸々の手続きには半年はかかるといわれている。前述の「手切れ金」だけでも膨大な時間と労力が必要である。
そもそも、手切れ金の正確な査定は不可能であり、英国・EUのどちらが妥協するまでは決着しないであろう。また、正式に離脱するまでは英国はEU加盟国であるため、勝手に自由貿易協定を締結できない。
2年間の離脱交渉は、EU加盟国のすべてが合意すれば延長できる。ただ、最初から延長ありきの交渉は双方に有益ではないため期限が差し迫ってくるまでは延長の話は出てこないだろう。(高島正幸)。

2017年03月03日

「市場を診る」


 先月28日、トランプ大統領が議会演説を行い、歴史的な税制改⾰とインフラ投資などに取り組む決意は確認できた。ただ、⼤統領就任前後の発⾔並びに⽮継ぎ早に打ち出した⼤統領令、ツイッターでの情報等と比較して、新味に乏しく、政策も具体性に⽋ける内容だった。
 しかし、市場の失望を招くほどではなく、米国のインフラの老朽化を指摘し、必要性を語った上で、議会に1兆ドル(約113兆円)のインフラ投資を求めるとあらためて強調した。今月中旬、トランプ政権による予算教書が議会への提出が予定されている。実現には議会承認が必要なことから時間を要するとみられるが、巨大なインフラ需要が発生する期待があり、幅広い銘柄に恩恵が広がりそうだ。
 日本株についてもイエレンFRB議長の講演内容次第で、3月利上げ観測が急速に高まり、一段の円安株高も期待される。

2017年02月

2017年02月27日

「今週の為替相場の展開はいかに!?」

今週の為替相場の展開はいかに!?イメージ1今週の為替相場の展開はいかに!?イメージ2
 今週は、トランプ大統領の議会演説が米東部時間28日21時(日本時間3月1日11時)に米議会上下両院合同本会議で演説が予定されている。外交や移民規制、大規模減税の概要など幅広い分野について、政権運営の大枠を示すようだ。
ただ、その思惑の為替市場への織り込みはある程度進んでいるとみる。仮に、概ね公表の内容がドル高要因となったとしても、大幅なドル高にはならず、材料出尽くしとなる可能性があろう。
ただし、あのトランプ大統領のことであるため、講演内容によっては想定外の動きもあるので注意が必要だ。
 他方、3月1日には2月の米ISM製造業景気指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表が予定されているが、内容は米国経済の強さが示されるだろう。この米国経済の強さはドル高要因となる。
 また、週末3日には、イエレン議長の講演が予定されているが、追加利上げに関する新たな材料はないようだ。
前のFOMC議事録(1/31~2/1開催分)では、早期の利上げが適切となる可能性があると指摘しつつも、ドル高の悪影響を懸念する声もある。また、バランスシート縮小に関することはなく、今後の会合で議論を始める姿勢にとどめている。今回も同じ内容が予想されている。

 今週は、ドル安傾向の展開を予想しているが、徐々に来週10日の米2月の雇用統計を控え様子見の姿勢が強まるだろう。だた、中長期的には、ドル高円安が進むため、円高場面があれば買い場となるとみている。
このような状況を踏まえ、近々のドル円の為替相場の変動の想定は110円~114円あたりと予想する。
 ただ、今後のユーロ圏のオランダやフランスの選挙では反ユーロ勢力が優勢の兆しもあり、投資に対してリスク・オンorオフに影響する可能性もあるため注視していかなければならない(高島正幸)。

2017年02月10日

「日米首脳会談はいかに!?」

日米首脳会談はいかに!?イメージ1
 日米首脳会談が2月10日(本日)に米ワシントンで開催される(日本時間2月11日3時頃 日米首脳共同会見予定)。この会談は、1月27日にメイ英首相に先を越されたが、これまでの新しくなった米国大統領との日米首脳会談において最も早い会談となる。しかも、中身についても今回の会談は異例となりそうだ。
 トランプ大統領は就任直後から通商問題でメキシコや中国や日本を名指しで批判している。日本が中国などと同様に通貨安誘導によって米国へ輸出攻勢をかけていると決めつけ、日米貿易不均衡のやり玉に日本車をあげているのは周知のとおりである。問題なのは、日本が「資金供給」によって通貨安を誘導しているというトランプ大統領の発言でもあるように、一国の金融政策にまで批判の矛先が向かい始めていることである。
 今回の会談で安倍首相は、米国内のインフラ投資などの分野で連携し、両国に成長と雇用をもたらす経済協力プランを提示するようだ。(もちろん、日本の首相が他国の雇用促進を目的に経済プランを策定することは異例なことである。)
この経済協力プランの中身は「日米成長雇用イニシアチブ」と題した5つの提案で、①米国内のインフラ整備、②世界のインフラ需要開拓、③ロボットや人口知能(AI)の研究開発、④サイバー宇宙など新分野での協業、⑤雇用と防衛の政策連携である。特に、①の米国内のインフラ整備では、日本企業が参画するテキサス州やカリフォルニア州の高速鉄道整備プロジェクトに、日本の政府系金融機関が長期融資を行うといったことも検討されるもようだ。このように、雇用を重視するトランプ大統領の顔を立てて、対日貿易不均衡の批判の矛先が日本の金融政策などあらぬ方向に向わないようにしたいとの思惑だろう。
今回は、これまでの日米首脳会談の踏襲のようなものとは違って、結果を予測するのは難しいが、会談が成功する可能性は高く市場の反応も好感されよう(高島正幸)。

2017年02月09日

「市場を診る」


 為替市場で、昨年11月以来約2ヵ月ぶりに1ドル111円台に突入した。一目均衡表で見ると、雲の中に入り下限の110円まであとわずかという水準だ。この背景には、2月3日に発表された1月の米国の雇用統計で賃金の伸びが予想を下回ったことで、3月の利上げが遠のき、年3回と言われていた利上げが6月、12月の年2回の公算が大きくなってきたことがある。それまでは構造的に円高に振れるとの見方もできるだろう。
 また、トランプ大統領のドル高けん制発言や日米首脳会談、英国のEU離脱の影響を受けて始まるオランダ・フランス・イタリア・ドイツの選挙。さらには米中の対立に中東情勢など、リスクを取り上げるときりがないが、代表的なリスク回避資産の一つでもある金価格は3ヵ月ぶりに高値を付けてきた。当面、海外情勢や為替の動向から目が離せない展開が続きそうだ。

2017年01月

2017年01月20日

「市場を診る」


 20日にドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任したが、11日に開いた大統領選後初の記者会見では「最も多くの雇用を作り出す大統領になる」と抱負を述べ、米国外に工場を作る企業には「高い国境税をかける」とけん制した。大統領選後、次期政権下で米景気回復が加速するとの期待感から円安・ドル高が進んでいた。
 一方、市場が期待していた減税や財政支出拡大など経済政策について目立った発言はなかった。就任後は具体的な政策内容が問われ始めるだけに、トランプ氏の今後の手腕に関心が集まる。
 先週末に次期財務長官の「強いドルが長期的に重要」との発言から円安株高になるなど、なかなか「為替頼み」から抜け出せない日本株相場だが、今週から3月決算企業の業績発表が本格化するとあって、トランプ氏の就任演説の内容を織り込んだ後は「業績」に一段とスポットが当たる相場展開が想定される。

2017年01月17日

「米国の不動産バブルの再来!?」

米国の不動産バブルの再来!?イメージ1米国の不動産バブルの再来!?イメージ2
 大統領就任前のトランプ発言(2017/01/11記者会見)が、世界に波紋を広げている。
発言内容は以前と変わらないもので、具体的ではなく(就任前なので当たり前ではあるが)期待外れのものだったようだ。
今後、大統領就任式は1月20日、その日に上下両院で行われる「一般教書」の演説で政策のアウトラインが明らかになり、2月上旬の予算教書でより具体化する予定となっている。
トランプ氏の政策は大型減税の導入、中国への高い関税、さらに5,000億ドル以上のインフラ投資など財政拡大があげられるが、ウォール街に自由な活動をさせるために、2010年に成立したドッド・フランク法(金融規制法)の廃止も公約している。
この法律は、2008年9月のリーマン危機を反省に金融危機の元になる不動産、証券、株のバブルを起こさないための金融規制である。
【ドッド・フランク法の基本内容】
・大規模金融機関に対する規制の強化
・金融システムの安定を監視する金融監督評議会の設置
・金融機関の破綻処理ルールの策定
・金融機関のリスクの高い取引の規制
・飛び抜けて高い経営者報酬の監視の強化
・デリバティブ取引の開示

トランプ氏は金融面でも米国第一を掲げ、金融規制への流れを、自由化に向けて転換しようとしている。
事実、トランプ氏当選後に最も株価が上がったのは、世界の大手金融機関で、例えばJPモルガン・チェースの株価は、11月4日の$68から$86へと26%上げ、ゴールドマン・サックスも、$175から$242へと38%も上がっている。
また、わが国の三菱UFJフィナンシャル・グループ(総資金量280兆円)の株価も、2016年11月初頭の500円付近から、773円へと約50%も上がっている(12月12日の価格)。これはドッド・フランク法の廃止を予想した、国際的な金融株上昇の一環であるが、この日米の大手金融機関の株価の上昇は、リスクの高い金融にマネーが流れることを意味し、その結果、米国の不動産バブルが促進される可能性が高まる。過去をみると金融の自由化と規制緩和は過剰な融資を生み、バブルの発生と崩壊に至るのが原則となっている。

現在、全米20都市の住宅価格を示すケース・シラー指数は、2016年の後半で195と、リーマン危機前の206(2016年)に迫っている(2000年を100とする)。
(2012年の130から、3度のQE(量的緩和:$4兆=470兆円)によって、65ポイント(50%)も上昇した。2016年11月にも前年比で5.2%上昇。)

米国の都市部の住宅価格は再び、わが国の1980年代や米国の2000年代のようなバブルに向かっているかもしれない。おそらく、2017年末からは、リーマン危機前のバブル価格に戻るだろう。不動産価格の上昇は、トランプ自身が不動産ビジネスを手がけていることと関係しているとも考えると、米国の不動産バブルが再来することが予想される。
FRBは、年3回の利上げを予定されるとしているが(利上げは不動産バブルを抑制)、不動産バブルと合わせ、利上げの回数やタイミングが気になるところである。さしずめ、1月20日の大統領就任式や今月末開催のFOMC(1月31日~2月1日)は注目だ(高島正幸)。

2017年01月06日

「申酉騒ぐ!?」

申酉騒ぐ!?イメージ1
 昨年の2016年はマイナス金利の導入、原油価格の暴落、英国のEU離脱、さらに米国大統領選挙とサプライズの出来事が多くありましたが、日経平均株価は年間で+80円と小幅ながらもプラスとなり5年連続の上昇でした。
この5年連続上昇は1978年~1989年の12年連続上昇以来、バブル崩壊後最長の上昇記録となりました。また、大納会の終値19,114円は年末株価としては1996年以来20年ぶりの高値となっています。
今年2017年は酉年にあたり、相場の格言では昨年の申年同様「申酉騒ぐ」と言われています。元々、酉=鶏は夜明けを告げる縁起の良い生き物として知られますが、過去の酉年の相場は平均上昇率15.0%と十二支の中で5番目に高く、過去5回の勝率も4勝1敗となっていますので結構期待が持てそうです。
一方、今年は、3月にオランダ総選挙、4・5月にフランス大統領選挙、9月にドイツ連邦議会選挙と大きな政治的イベントが予定されています。昨年末の米国大統領選挙にあったようにサプライズ的要素は数多くありそうです。
たくさんの期待と失望が混在していますが、今年一年が皆様にとって良い年となることを願うばかりです。

さて、目先に目を向けますと当面の注目ポイントは今晩の米国雇用統計があります。昨日のADP雇用統計は予想より悪い数字が発表され、また、最近は米国の長期金利の上昇ペースが鈍っていますが、雇用統計の結果いかんでは流れが変わる可能性があります。
そして今月最大のイベントは1月20日のトランプ大統領の就任式があり、いよいよトランプ政権が発足します。市場では期待先行に対する失望を懸念する声も上がっているなか、就任演説の内容は全世界が注目しています(高島正幸)。

2016年12月

2016年12月22日

「市場を診る」


 大納会まで残すところ5日となった。米大統領選挙以降、世界的なリスクオンムードの高まりが追い風となり、日本株も上値を試す展開が続き、日経平均は、2万円を意識した動きとなってきた。足元における日本株上昇の最大要因は10月以降、日本株を売り越してきた外国人投資家の買い転換と、米国長期金利の上昇に伴うドル高円安である。急速な円安進行を受けて、為替の影響を受けやすい外需関連企業を中心に業績の急回復が見込まれるなど、日本株独自の好材料が出てきている点を海外投資家は評価したようだ。
 ただ、来年1月20日の米国大統領就任後の米国をはじめ、世界経済はどうなっていくのか期待と不安が交錯する相場がしばらく続きそうだ。また、ユーロ安が象徴するように、地政学リスクの高まりが急速に意識されるなど不安は点在しており、不透明要因が売り材料として意識されている。

2016年12月16日

「市場を診る」


 トランプ氏が選挙戦を制し、次期米国大統領に決まってから、急激な円安と株価上昇が起きた。いわゆるトランプラリーの根幹は金利上昇にあり、それは将来の物価上昇につながることを意味する。また、トランプ次期大統領の打ち出している大規模減税やインフラ投資の拡大で、米国景気が過熱すると見られており、財源確保のため国債を発行する必要がある。そうなれば国債価格は下がり、長期金利が上昇するとの見方から、現在の円安や株価上昇に影響を与えている。
 もっとも期待先行で株価が上昇している側面もあり、トランプ氏が実際に大統領に就任し、政策が明らかになると、「うわさで買って事実で売る」局面も想定しておきたい。その場合、短期的には株価下落や円高などリスクポジションの巻き戻しが起きるだろうが、中長期的には上昇波動の中の小さな調整にすぎないと見ている。

2016年11月

2016年11月30日

「トランプノミクスのゆくえは?」

トランプノミクスのゆくえは?イメージ1トランプノミクスのゆくえは?イメージ2
 来年1月20日米国大統領就任式でトランプ新政権が発足する。今回、トランプ氏がまさかの勝利を収めたことによって、米国は大きな変化の時を迎えようとしている。
トランプ氏が掲げる政策は大型減税の導入、中国への高い関税、さらに5,000億ドル以上のインフラ投資など財政拡大があげられる。
しかし、伝統的に「小さな政府」を志向する共和党とは違う路線であるため共和党議会との調整が難航する懸念は残る。
とはいえ、米国ではインフラの老朽化問題が深刻化している。
このインフラの老朽化問題とは、1930年代のニューディール政策(1929年に始まった世界大恐慌に対処するため、フラン クリン・ルーズベルト大統領の下で実施された一連の経済・社会政策)を契機に橋や道路等のインフラが大量に建設された。
しかし、その後は維持管理に十分な予算が投入されなかったため、1980年代初頭にはインフラの老朽化問題が深刻化し、落橋などの事故を誘発、建て直しが急務となっている。
また、足元の米連邦政府のインフラ投資額の対名目GDP比率は1947年以来最低であり、財源などの問題はあるものの、現実味のある政策と思われる。
さて、市場では大統領選挙を受けて米国債利回りが急上昇、すでに、米国が財政拡大に動くことを見越した動きがでている。ある著名な債券投資家によると、今後4~5年で米10年国債利回りは6%程度まで上昇し得るという見方もある。
他方、米国は12月の利上げがほぼ確実視されているが、最近、FRBのイエレン議長は「高圧経済」という言葉を口にしている。
「高圧経済」とは、供給能力よりも需要が上回り、投資などが活発化してさらに需要圧力が高まる傾向にある経済のこというが、ここでは、多少インフレが行き過ぎても、そのマイナス面は、雇用改善のプラスで相殺できるという考えのようだ。
高圧経済によってインフレ期待がさらに高まる可能性もあるが、一方で、金融緩和の長期化によって金利上昇ペースが緩やかとなる可能性もある。
いずれにせよ、金利がこのペースで上昇を続けると悪い影響が広範囲に広がりかねない。インフレと金利の上昇を一定程度に収めるような政策が求められる(記・高島正幸)。

2016年11月25日

「市場を診る」


 トランプ次期米大統領は21日、環太平洋経済連携協定(TPP)について、就任初日に離脱を通告すると明言し、中国に対抗する主軸となるはずだった世界最大規模の自由貿易協定の実現は極めて厳しい状況となった。代わりに「米国に仕事と産業を取り戻す公平な二国間の通商交渉にあたる」と述べ、自国に有利な条件を引き出す考えを鮮明にした。
 これに対し安倍首相は、24日の参院TPP特別委員会の集中審議で、TPPについて「自由で公正な貿易圏を作る意義を発信する意味で、日本が世界に先駆けて批准すべきだという考えにいささかの変化もない」と強調した。
 日経平均は、米国の利上げペースの早まりに対する円安や、トランプ政策への期待から予想以上に強い相場が続いているが、安倍政権の成長戦略を支えるTPPが不調となれば、相場の波乱要因ともなりかねない。

2016年11月15日

「米大統領選挙を受けて~リスクオン!?」

米大統領選挙を受けて~リスクオン!?イメージ1
 先般の11月8日の米国の大統領選挙では、大方の予想に反しドナルド・トランプ氏(共和党)が勝利した。議会選挙でも共和党が上下院ともに過半数を占める結果となり、政権、上下院ともに共和党が優勢な「ねじれのない」状態となった。
この結果を受け、金融市場は一時的に不安定となったが、その後、ドル高円安が進み、NYダウは史上最高値を更新した。
 この動きの背景となったのは、トランプ氏の勝利後のコメントが国内の団結を訴える「まともなもの」であったこと、さらに、積極的な財政出動への期待が高まったことがあげられる。
(トランプ氏の政策は、成長率を3.5%に引き上げ、10年間で2,500万人の雇用創出、5,000億ドル以上のインフラ投資、TPPに反対、法人税15%引き下げはじめ減税規模は10年間で4.4兆ドル程度など)
今後の展開おいて、トランプ氏が正式に大統領に就任するのは、年明けの2017年1月20日であるが、それまでの期間で、注目されるのは次期政権の閣僚人事だろう。その中でも注目度が高いのは財務長官のポストだ。
現在、報じられている候補では米大手金融機関のCEO(JPモルガン・チェースの最高経営責任者(CEO)=ジェイミー・ダイモン氏)や元幹部(ブルームバーグが関係筋の話として、ムヌキン氏がトランプ氏の政権移行チームから次期米財務長官に推奨されたと述べた。ムヌキン氏はゴールドマンやソロスファンドなどを渡り歩いた銀行家で、今回の大統領選ではトランプ氏の経済諮問委員やキャンペーンの財務責任者を務めていた。)の名前があがっているようだ。さらに、トランプ氏は選挙期間中に金融規制の撤廃も主張しており、規制緩和の政策となる可能性がある。
 他方、足元の米国経済は、力強いとはいえないが、ほぼ完全雇用の状況にあるとみられ平均時給も上昇しはじめており、FRBは今後も慎重なペースで利上げを実施するとみられる。
加えて、大統領が不動産屋、財務長官が金融業界からの出身者となれば、米国の資産価格の動向には大いに気になるところだろう。
今回の選挙は、現状を大きく変えて欲しいという有権者の声の表れといえる。民意を受けた政権や議会の動向は、通常では想定されにくいものとなる可能性が高い(実際に、英国EU離脱にもあるように、想定外のことが起こることがある。)
そのような次期政権であるが、選挙期間中にトランプ氏が訴えていた政策がどの程度実施されるかが不明であり、共和党との悪化した関係修復も注目され不安材料は多いものの、当面は、期待感のリスクオンの動きがさらに強まる可能性がある。(記・高島正幸)。

2016年11月04日

「市場を診る」


 米国の大統領選挙が迫ってきた。3度のテレビ討論会を経て、クリントン氏優勢との見方が広がっていたが、クリントン氏の私用メール問題に対してFBIが捜査を再開したと報じられた事から、急激にトランプ氏の支持率が上昇してきた。直近の世論調査ではクリントン氏が47・7%に対してトランプ氏は45・3%と、クリントン氏がわずかに優勢を保っているだけだ。
 クリントン氏が当選した場合、基本的に連続性のある政策が期待されることから、一定の安心感が広がり、事前に売り込まれている事や、リスク許容度の改善などから株価の上昇が見込まれる。一方、トランプ氏が当選した場合は市場に与えるショックはブレグジット(英国EU離脱問題)以上との声も出ている。開票は日本時間の11月9日朝9時から始まる予定で、過去の大統領選を踏まえると、日本時間午後1時頃までに勝敗がつく可能性が高い。

2016年11月01日

「米大統領選挙など不透明要因はあるが、ドル高円安傾向!?」

米大統領選挙など不透明要因はあるが、ドル高円安傾向!?イメージ1米大統領選挙など不透明要因はあるが、ドル高円安傾向!?イメージ2
 先週のドル円相場は、今年7月以来となる1ドル=105円台までドル高円安が進んだ。しかし、週末かけてややドル安円高方向に押し戻された。このドル高円安が進んだ背景は、欧州リスクからの圧力が一旦緩和されたこと、米利上げの思惑から米金利が上昇したことが挙げられる。他方、週末にドル安になったことは、クリントン候補の不正メール問題が再度意識されたことで、米大統領選挙を巡る不透明感がリスクオフの流れを通じてドル安要因となったようだ
しかし、その米大統領選挙だが、依然としてクリントン候補が優勢と考える。先週は、FBIがクリントン候補の(国務長官時代)不正メール問題の調査を再開したことで、これまでクリントン候補が優位に進めてきた米大統領選挙に不透明感が高まった。ただ、選挙関連の情報提供サイトなどによると、現在、クリントン候補はすでに選挙人263人をおさえているようだ(勝利に必要な人数は270人)。クリントン候補を支持している理由で最も多いのは、「トランプ候補を支持しないから」であり、不正メール問題でクリントン候補からトランプ支持に変わる有権者は多くないとみる。不正メール問題の行方には一定の注意が必要だが、米大統領選挙はある程度見通しがついているとみている。だた、選挙はミズモノであるため注意は必要である。
 他方、先週発表の英国7-9期の実質GDPが前期比+0.5%と事前予想を上回り、また、同期のドイツ銀行の最終損益は2.78億ユーロの黒字となった。スペインではようやく政府の連立交渉にメドがついたようだ。来年以降の英国のEU離脱交渉の行方には注意が必要だが、欧州リスクからの圧力は一旦緩和したとみる。
先週、主要生保が2016年度下期の運用計画を公表したが、概ね外債投資、特にヘッジなしのオープン外債投資に前向きな姿勢を示している。これは、投資家の意識に影響を与えているようで、円高場面があれば、外債投資を積極化させるとの思惑が働いているようで、ドル円相場は、方向性としては、緩やかなドル高円安が想定できる。
 しかし当面は、日英米の金融政策会合や週末の米雇用統計、翌週の米大統領選挙を控え、神経質な動きであろうが、米雇用統計の堅調な雇用環境が示される見通しやFOMCでの12月利上げの示唆が期待できる。今週のドル円予想レンジは、103.50円~106.00円あたりとみる。(記・高島正幸)。

2016年10月

2016年10月14日

「市場を診る」


 12日、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国のロシアなど主要産油国は、トルコのイスタンブールで非公式会合を開いた。この会合でOPECが9月の臨時総会で決めた減産に非加盟国も協力する事を確認し、10月末に具体策について再協議することを決めた。
 主要産油国内では、年内に6ヵ月間の生産調整で合意することを目指しており、非加盟国を含めての減産協調に向け前進した内容となった。産油国の減産協調は原油価格の上昇や安定化につながり、株式市場にとって、資源国通貨の上昇やオイルマネーの流入は、株価上昇の呼び水となる可能性が高い。
 日本経済にとっても、原油価格の上昇はエネルギーコストがかさむことになるが、それに伴って貿易収支の黒字幅が縮小し、大きな円安要因となりうる。現状の日本経済にとっては、輸出額が増え企業業績の回復を図るために、一定水準の原油価格上昇は望まれる。

2016年10月12日

「IMF(国際通貨基金)による世界成長率見通しを公表」

IMF(国際通貨基金)による世界成長率見通しを公表イメージ1IMF(国際通貨基金)による世界成長率見通しを公表イメージ2
10月4日に発表されたIMFによる世界経済の成長率見通しは、7月予測から(2016年:3.1%、2017年:3.4%)据え置きとなった。

国別でみると米国の下振れ(2016年:2.2%(7月予測)⇒1.6%、2017年:2.5%(7月予測)⇒2.2%)が目立つ。IMFは下方修正の背景として、大統領選挙を控え先行き不透明感から企業が設備投資を見合わせている可能性があるとした。

英国は、2016年の見通しを1.7%(7月予測)から1.8%と上方修正した。EU離脱選択後も同国経済が予想以上に持ちこたえていることが背景。ただ、今回の試算は今後のEU離脱交渉が円滑に進むことを前提としており「長期的には不確実性が高い」とも指摘している。
2017年の予測は、1.3%(7月予測)⇒1.1%と下方修正した。

 ユーロ圏としては、2016年の見通しを1.6%(7月予測)から1.7%、2017年は1.4%(7月予測)⇒1.5%と上方修正したが、英国とEUとの新たな貿易協定交渉の結果が不透明、また、欧州の金融機関で不良債権問題が浮上しているとの指摘もあった。

 日本の見通しは、2016年:0.3%(7月予測)⇒0.5%、2017年:0.1%(7月予測)⇒0.6%に引き上げた。補正予算や日銀による追加金融緩和などの取り組み、消費税増税延期などが短期的に個人消費を下支えすると分析している。

 新興国では、2016年4.2%、2017年4.6%ともに成長見込んでいる。
中でもインドの成長率は、2016年:7.4%(7月予測)⇒7.6%、2017年:7.4%(7月予測)⇒7.6%として依然明るい。

また、ロシアは、原油価格の持ち直しなどを受けて、2016年:▲1.2%(7月予測)⇒0.8%、2017年:1.0%(7月予測)⇒1.1%上方修正した。

中国は、短期的には和らいだとし、比較的高い成長は継続する見込みだ。2016年:6.6%(7月予測)⇒6.6%、2017年:6.2%(7月予測)⇒6.2%。

先進国を中心に、経常収支の不均衡は縮小傾向があり、1990年代あたりの水準まで縮小するとの見通しだが、実質的には世界的な産業活動や貿易の不振を反映しており、貿易量の減少は経済の停滞感を強める結果となっている。
また、6月の英国のEU離脱選択や米大統領選挙において民主共和党両候補が保護貿易主義を揚げ支持を集めていることは、景気低迷の長期化により内向きの姿勢がさらに強まり、保護貿易主義の拡散を通して貿易の縮小の流れとなり、世界経済の低迷は一段と深刻化すると指摘している。
仮に関税引き上げに踏み切り輸入物価が10%上昇すると世界の生産が長期的には2%近く下押しされるといわれている。脆弱な世界経済の景気回復を損なう恐れがあることも留意したい。
ただ、ロシアやブラジルなど一部の新興国はリセッション(景気後退)を脱して安定化しつつあるとの認識を示した。
ブレグジット(英国EU離脱)の影響については依然不透明さがあり、今後は離脱交渉について注視する必要がある。動向次第では大幅な景気減速リスクも想定されるので注視していかなければならない(記・高島正幸)。

2016年09月

2016年09月23日

「市場を診る」


 先週、開催された日銀の金融政策決定会合で、これまでの金融政策の総括的な検証結果を公表し、加えて「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定した。今回の決定はマイナス金利の深掘りはなかったが、長期金利をコントロールする姿勢を明確にした。それは長期金利のマイナス幅拡大による弊害を抑えつつ、低金利状態を継続させることを意図したとみられる。
 また、追加金融緩和の手段を明示したことで、金融政策の限界論を抑えようともしている。この決定を受け、21日の株式市場は銀行株を中心に大幅高となった。ただ、この新たな金融緩和の枠組みについては市場の解釈が割れ、消化するにはまだ時間がかかるとみられる。また21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で再び利上げを見送ったことで、22日の円相場は約1ケ月ぶりの円高水準になるなど、為替市場も当面不安定な動きが続くとみる。

2016年09月05日

「米国8月雇用統計は予想を下回ったが・・・」

米国8月雇用統計は予想を下回ったが・・・イメージ1米国8月雇用統計は予想を下回ったが・・・イメージ2
 9月2日に発表された、米国の8月雇用統計では非農業部門雇用者数は前月比+15.1万人となり事前予想の+18万人程度を下回った。米国の6月非農業部門雇用者数の実績は、事前予測+29.2万人⇒結果+27.1万人と下方された。また、同7月の実績は、事前予想+25.5万人⇒結果+27.5万人と上方された。7月の上方修正を考慮すれば、8月の実績はほぼ事前予想通りの範囲ともいえる結果ともいえる。ちなみに、失業率は、4.9%と低水準での動きが続いており、雇用状況は安定している。
9月20~21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性を考えるうえで米国の8月雇用統計には注目が集まっていたが、このような内容は、9月利上げの可能性を高めるものではなかったようだ。実際、金融市場が考える9月の利上げの確立は雇用統計発表前では34.0%で、同発表後は32.0%となった。これは、複数のFRB高官が9月利上げの可能性を示唆したジャクソンホール会合の前の水準に戻っている。
このように今回の雇用統計を受け金融市場が考える9月利上げの可能性は若干低下した。しかし、NY株式市場が強含みリスクオンの流れのなかで、米10年国債利回りはむしろ若干上昇しドル円相場は1ドル=104円台までドル高円安が進んだ。現在、投機筋の円買いポジションが積み上がっていることもあり、反動で目先は円安傾向の動きが予想されよう。
一方、米利上げ時期は不透明感が残るなか、米10年国債利回りの上昇余地は限られるため、当面の動きは、1ドル=105円レベルでは上値が重くなるだろう。しかし、米国は利上げ方向に向かっており、また、日銀の追加金融緩和の可能性が高まっていることから、中長期的では緩やかなドル高円安のトレンドとみる(記・高島正幸)。

2016年09月02日

「市場を診る」


 先日の米国ジャクソンホールで開かれた会合を受け、米国の利上げを巡る市場の見方は急速に変化した。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、講演で早期利上げの可能性を示唆した。
 市場予想によると、9月利上げの確率は約4割と直前よりも大きく上昇したが、昨年の12月の利上げ時より水準はまだ低い。9月の利上げについて市場はまだ半信半疑で、年内の利上げは1回で時期は12月であるとの見方が大勢を占めている。今後は、8月の米雇用統計の数値が注目され、予想の18万人前後を超えるようなら、9月利上げの可能性が高まり、ドル高になることが想定される。 
 日本株の環境として、追加緩和の可能性が高まっている事や、投機筋の円買いポジションが積み上がっている事なども勘案すると、ドル高円安気味の動きが予想される。9月20~21日に開催される日銀の金融政策決定会合の動向が気になるところだ。

2016年08月

2016年08月16日

「今週のドル円とユーロ円相場の推移はいかに?」

今週のドル円とユーロ円相場の推移はいかに?イメージ1今週のドル円とユーロ円相場の推移はいかに?イメージ2
先週のドル円相場は一時100円台後半に下落する場面もあったが、その後は下げ渋り、週末のNY市場では、1ドル=101.30円近辺で終了した。
先般、発表された日本の4-6月期の実質GDPは前期比+0.0%、年率換算では+0.2%となった。2四半期連続でプラスを確保したものの、低成長が続いていることが示された。とはいえ、日銀は前回会合でETF買入れ増額などの追加金融緩和策を発表したことは、記憶に新しいところである。しかし、次回会合(9月20~21日)までは時間的に多少、間があることから政策期待から円安圧力は高まりにくいではないだろうか。
他方、米国では7月に小売売上高が低調となったものの、過度な景気減速懸念は一旦後退している。一部FRB高官による年内利上げが適切との声は一定のドルの下支えの要因となっているようだ。また、来週26日にイエレンFRB議長の講演(ジャクソンホール)を控え、徐々に様子見姿勢が強まろう。従って、今週のドル円相場は横ばい推移を想定、予想レンジは、100.00~103.00円とみる。

一方、ユーロ円相場も上値の重い展開となろう。ユーロ円相場は足元では底堅さもでてきたが、英国のEU離脱決定を受けてユーロ圏の消費者マインドは悪化しており、インフレ率も低位で推移している。景気減速懸念や追加金融緩和期待は、ユーロ相場の重しとなろう。ユーロ圏の7月の製造業PMIをみると、2013年半ば以降景況判断の分岐点である50を上回っている。不透明感はくすぶるが、実態経済への影響が顕著化してくるのは当面先とみている。次回ECB会合に向けて追加金融緩和期待は高まるとみられるが、ユーロ円相場は目先、底堅く推移しよう。加えて、財政規律違反で制裁が検討されていたスペインとポルトガルに対しEUが罰金見送りを承認したことも一定の安心感につながろう。今週のユーロ円予想レンジは、111.50~115.00円あたりの推移と予想(記・高島正幸)。

2016年08月12日

「市場を診る」


 8月10日時点で三月期決算銘柄の決算発表は1292社とピークを迎え、内需関連企業の業績好調ぶりが目立つ内容であった。内需関連企業には、商品の値上げや既存事業をもとにした新たな事業展開を進めるなど、積極的な経営計画を発表した企業が多い。
 一方、円高進行や不安定な外部環境が業績の重しとなっている輸出関連企業も、ブランド力や技術力に強みを持ち、増益・高進捗率を確保する企業は少なくない。好業績を確保する輸出関連企業には、成長鈍化が見込まれる事業を縮小する一方、為替の影響を受けにくい事業の比率を高めるなど、事業の選択を進めるケースも見受けられる。
 今後、内需関連企業については、安定成長から積極的な成長への変化が確認できるか否かが、株価上昇持続の決め手となりそうだ。反面、輸出関連企業の中では、円高=業績悪化のイメージをいち早く払拭出来た企業への買いが強まると見る。

2016年08月05日

「BOE(英中銀)とFRB(米連銀)と日銀の動向~」

BOE(英中銀)とFRB(米連銀)と日銀の動向~イメージ1BOE(英中銀)とFRB(米連銀)と日銀の動向~イメージ2
 先般、6月23日に行われたイギリスの国民投票でまさかの「EU離脱派」が勝利したことは記憶に新しい。この問題は長期化するとみられ、欧州をはじめとする各国の経済・政治動向や金融政策に大きく影響する格好になった。
 8月4日、BOE(英中銀)は政策金利を0.50%から0.25%に引き下げることを決定した。さらに、国債買い入れの再開や、社債買い入れ、金融機関への新たな資金供給の仕組みの導入なども決めた。利下げ自体は市場の予想通りだったが、社債買い入れまでは想定以上だった。
今回の決定は、英国のEU離脱(Brexit)による景気後退を阻止する姿勢を示したようで、カーニー英中銀総裁は、更なる用意があると明言している。また、声明によれば、景気動向次第では年内に「政策金利を事実上の下限まで引き下げる追加利下げ」もあり得るとの考えも示している。これから当面はBrexitが英国経済にどのような影響を与えるかの見極める局面で、方向性としては、英国経済の減速は、一段の金融緩和期待が高まり、英ポンド安を示すものとなろう。
しかしながら、このEU離脱について、ドイツやフランスなどは、早期に離脱申請を出すように要請しているが、当のイギリスは、経済を安定させてから離脱の手続きをゆっくり進めたいとしており(2018年6月EU離脱交渉期限)長期化の見通しだ。

一方、この英国のEU離脱によりFRB(米国連邦準備制度理事会)による利上げペースが鈍化したようだ。さらに、大統領候補の遠回しな「ドル安容認発言」により、為替市場では円高ドル安基調となった。
先般、7月に発表された米国の6月雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比28.7万人増(市場予想18万人)と市場予想を大幅に上回る内容となった。これは、6月分は英EU離脱を織り込んでおらず、本日8月5日の米国7月雇用統計の発表に注目が集まっている。(失業率…前回4.9%⇒予想4.8%、非農業部門…前回28.7万人⇒予想18.0万人)
このような状況を踏まえると、年内利上げに踏み切る可能性は低いとみている(FF金利レートからみると年内利上げの可能性は未だ4割以下)。今後は、8月26日のジャクソンホールなどイエレンFRB議長の発言に注目したい。

日本では、第24回参院選では与党が改選過半数を獲得し大勝となった。注目された改憲勢力も、国会発議に必要な全議席の3分の2(162議席)を超えた。「安倍一強」体制をもとに政策の選択肢が広がった格好だ。この結果、7月の海外投資家はこの政権基盤の安定を前向きに評価し、選挙後2週連続で買越しとなっている。この後の注目は、政府は秋の臨時国会で2016年度第2次補正予算案を提出する方針である。

日銀は、7月29日にETFの年間買い入れ額を3.3兆円から6兆円に拡大すると発表した。新たな金融緩和策への期待が高まっていた市場にとっては物足りない結果となったが、マイナス金利政策の拡大は見送りとなり、メガバンクなどの銀行株は買戻される結果となる可能性が高い。日銀は、「次回の金融政策決定会合で「経済・物価動向や政策効果について総括的な検証を行う」としている。次回の日銀決定会合は9月20~21日の予定である(記・高島正幸)。

2016年07月

2016年07月22日

「市場を診る」


 市場では『ヘリコプターマネー』という政策が飛び交い、その政策をめぐる議論が日増しに熱くなっている。ヘリコプターマネー政策とは、ヘリコプターから現金をばらまくように政府が国民に対して給付金や減税などでお金を届けるという政策であり、今回ヘリマネ議論が沸騰している背景は、参院選での与党大勝を受け、安倍政権がデフレ脱却に向けてアクセルを一気に踏み込むとの見方がある。
 政府と日銀が財政・金融で連携し、月内に20兆円超の大規模な経済対策が打ち出されるとの期待感から日経平均株価は上昇し、ドル円相場はブレグジット前の水準まで円安が進行した。今月末の日銀決定会合にて市場の期待通りに政府と日銀が動き出すのか、ヘリマネが本当に実施されるのか、黒田総裁の手腕が問われる。決定会合の行方に、期待と不安の月末になりそうだ。 

2016年07月22日

「政府・日銀の協調政策発動か?」

政府・日銀の協調政策発動か?イメージ1政府・日銀の協調政策発動か?イメージ2
 足元の物価がなんとも弱々しい。全国総合指数で前年比△0.4%、食料エネルギーを除く指数で0.6%と目標の2%から程遠い状況である。マイナス金利を以ってしてもインフレが喚起されていない中、政府・日銀は新たな政策が迫られるところだ。その中、海外のビッグネームが来日した。『ヘリコプター・ベン』の異名をとるバーナンキ前FRB議長である。12日にバーナンキ氏と安倍首相および黒田総裁らとデフレ脱却・経済再生について会談が持たれた。これを機に政府と日銀が協同で『ヘリコプターマネー』政策を採るのではないかとの期待が市場を駆け巡った。ヘリマネ政策の詳細についてはここでは省かせていただくが、政府が大規模財政支出を行い、その原資を日本銀行が担うというイメージを持っていただけると良い。これはアベノミクス3本の矢と構造は何ら変わらない。政府・日銀がまた劇薬に手を出すのかとの苦言(異次元緩和・マイナス金利のときも批判されている)もあるが、私から見れば至極真っ当な政策にしか見えない。物価も実質所得も株も上がらずアベノミクスの賞味期限は切れたという声が多くあるが、その主因は消費税増税にあったと考えている。デフレ状況下で家計と企業が消費および投資を手控える中、政府が支出を増やさなければ経済縮小は免れない。アベノミクス3本の矢では政府の大盤振舞が目玉であったはずだ、消費税増税は自らがその看板を下ろす行為に他ならない。今回のヘリマネ政策論議のポイントは、いよいよ再び政府の大盤振舞が始まると想定されている点である。バーナンキ前議長との会談と同じ日に安倍首相は石原経済再生担当相に今月中に「総合的で大胆な経済対策」を取りまとめるように指示した。また20日には事業規模で20兆円との報道もあった。アベノミクス当初の興奮がマーケットに帰ってくることを期待したい(記・横山光)。

2016年07月05日

「英国のEU離脱はどうなの?」

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 英国側に立てばEU離脱を選択する理由もある。2014年の英国からEUの拠出額は113億ユーロだが、プロジェクトなどを通じて還元されたのは69億ユーロと少ない。移民問題でも、ロンドンでは、移民労働者が経済を支えているが、地方では不満の声も少なくないようだ。当然、EUから出ていけばデメリットはあるが、EUに残ってもメリットがほとんど感じられないならば、離脱を選択しても不思議ではない。市場では、EU離脱に伴う世界経済への悪影響が懸念されている。国民投票で結果がわかると、為替相場ではドル円相場が一時1ドル=99円台まで円高が進み、日経平均でも一日で1,286円安をつけた。さらに、イタリアではローマとトリノの市長選挙で反体制派が勝利。ドイツ、フランス、オーストリア、オランダ、デンマークなどでも「反EU勢力」が勢いづいている。
ただ、本当に懸念されている事態に陥るのか?金融市場の混乱は世界経済にとっては下げの要因である。英国を含め欧州に進出しているグローバル企業は多く、企業業績の悪化も懸念される。しかし、英国は「反グローバル化」を目指しているわけではなく、EUを離脱しても個別の条約を結ぶことなどでEUとの経済関係を維持することも可能である。EU以外の国や地域との連携を強めることもできる。国際金融拠点としてのロンドンの競争力低下は否めないが、フランクフルトなどの他の場所が国際金融拠点に取って代わるとも考えにくい。英国以外の国の「反EU勢力」についても、英国のようにEU離脱を決定できるほどの勢いがあるかは疑わしい。実際、英国民投票直後に実施されたスペイン議会選挙では、「反EU派」のポデモス連合は第3党にとどまった。確かに、英国のEU離脱は歴史的な出来事である。大きな転換点にいるのだろうが、悪い方ばかりに目を向けるべきではないのかもしれない。
当面の為替相場であるが、米金利の低さからドル高余地は限られそうである。5月雇用統計の下振れやインフレ懸念の鈍さ、英国EU離脱問題などを背景に、最近のFRB関係者のコメントは早期利上げに慎重な姿勢が目立っている。今週末に「6月の雇用統計の発表」があるが、米利上げ時期の後ずれ観測から、ドルは上値の重い展開が想定される。ドル円の予想レンジは101.00円~104.50円あたりとみる。(記・高島正幸)。

2016年07月01日

「市場を診る」


 マーケットは英国の欧州連合(EU)離脱に伴うショックをある程度吸収した。今回の離脱問題は、来年どころか3年経っても最終決着しない可能性があり、その間「離脱」と「離脱撤回」を往来することになりそうだ。投資家は慌てふためく必要はなく、今後は国内における政策や日銀による追加緩和期待などが相場を支えていくことになるだろう。
 問題は、最近の円高基調が今後も続いた場合だが、介入の場合は米国との調整が必要となる。大統領選挙を控えて、ドル高は米国に不利に作用することから協調介入はハードルが高く、その場合は日銀による金融緩和で円安誘導の可能性もある。
 また、自民党は今後5年間で30兆円をメドにインフラ整備などへの事業規模を確保する方向で秋の臨時国会の予算に盛り込む構えであり、政策期待から相場の下支え要因となるだろう。

2016年06月

2016年06月10日

「市場を診る」


 3日に発表された5月の米雇用統計は非農業部門雇用者数で市場予想を大幅に下回った。これを受けて6月・7月の利上げ観測は大きく後退し、ドル円相場は106円台前半まで円高が進行した。
 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は6日の講演で「物価の安定を確実にするため政策金利の緩やかな引き上げが必要だ」と利上げ路線を堅持する考えを示したが、「雇用統計悪化に失望した」と加えている。また、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票(23日実施)に対し同議長は「経済に重大な影響を与える可能性がある」と懸念を表明した。
 市場の注目は徐々に15~16日に行われる日銀の金融政策決定会合に移りつつあり、追加緩和を催促する円買いが強まる可能性が高い。当面は円高・株安に振れると想定され、市場は警戒感を強めている。(益茂証券)

2016年06月01日

「米国の利上げの可能性が!?」

米国の利上げの可能性が!?イメージ1米国の利上げの可能性が!?イメージ2
ここ最近のドル円相場は、ドル高が進み1ドル=111円台にのってきた。
先週末の講演で、イエレンFRB議長は、予想とおりに経済成長が加速し雇用改善が続けば数ヶ月以内に利上げをすることが適切になるとした。イエレン議長は利上げに消極的な「ハト派」とされていただけに、次回6月14~15日、もしくは7月26~27日のFOMCでの利上げの可能性が高まった。確かに、直近の経済指標をみると、3月のコア個人消費支出価格指数(PCE)は+1.6%とFRBが目標とする2%に近づいてきており、住宅価格もリーマンショック前のピーク時の約9割の水準まで上昇しているようで、このような状況をみると、利上げの必要性は高まっているとみる。
また、投機筋のドルのポジションをみると、対主要通貨でドル買いポジションの整理は進んでいる。特に5月24日時点で円買い越し額は大幅に減少しており、これは、利上げが現実的となってきたため、ドル売りポジションの巻き戻しが起こってきているのではないか判断する。
安倍政権の消費増税の先送りに関しては、株高などリスクオンの動きを通じて円安要因となっている。日銀の金融政策の効果に対する期待感は薄れているものの、再度デフレ状態に陥る可能性が高まっているため日銀は追加金融緩和を決定する可能性も高い(次回の日銀政策決定会合6月14~15日予定)。
さらに、金融市場のリスクとされる英国のEU離脱の是非を問う国民投票(6月23日実施)は世論調査では残留・離脱で拮抗しているが、金融市場に対するリスクの圧力は緩和しているようだ。
このような状況下を考えると目先はドル高の要因が優勢であるとみる。ただ、米国の利上げを実施しても、そのあとの利上げペースは緩やかな姿勢を強調するだろう。国債の利回りではすでに織り込んだ感じとなっているようであるため、ドルの目先は強含みで推移するが、徐々に上値は重くなるだろう(記・高島正幸)。

2016年05月

2016年05月20日

「市場を診る」


 先週の為替市場で、ドル円相場は4月28日以来1ドル=110円台を回復した。背景として米国が6月FOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げを行うのではないかとの観測が挙げられる。18日に公表されたFОMC議事録(4月26~27日開催分)では大半の参加者が6月の利上げの可能性を指摘したことが明らかとなり、ドル先高感を演出した。
 一方で米株式市場は利上げ観測を嫌気して下落に転じた。実際に6月利上げに踏み切るかどうかは依然として不透明であるが、今回の議事録により6月利上げが想定すべきシナリオとなったといえるのではないか。
 日本株式市場においてもドル高をあまり好感していないようだ。1ドル=110円を達成しても、日経平均は1万7000円を回復していない。今月26日~27日の伊勢志摩サミット(主要国首脳会談)を前に政策期待で底堅い動きが期待されてはいるが、米国の利上げがリスク要因として働いているとみられる。しばらくは方向感のない展開の中での材料株物色が中心となろう。

2016年05月09日

「日銀の金融政策でJ-REITが注目!!」

日銀の金融政策でJ-REITが注目!!イメージ1日銀の金融政策でJ-REITが注目!!イメージ2
 4月末に日銀が金融政策の据え置きを決定した後、為替市場では、ドル安円高が進み一時1ドル=105円台をつけた。この金融政策の据え置きはサプライズ(期待感があったため)となり円高要因となった。
また、先般発表の米国の4月の雇用統計は非農業部門雇用者数の増加人数は事前予想を下回ったが、平均時給の伸び率は加速。一部FRB関係者からは年2~3回の利上げが合理的との声もありドル安圧力は一旦緩和傾向になった模様だ。
 このような状況下、足元の日本経済の動きはさらに鈍っているようだ。3月の実質消費支出は前年比▲5.3%と大幅マイナスとなり、鉱工業生産は前月比+3.6%となったが、前月▲5.2%だった反応としては乏しい内容となっている。さらに、消費者物価は前年比▲0.3%と昨年10月以来のマイナスに落ち込んだ。また、熊本地震の影響も気になるところだが、5月18日公表の1-3月期の実質GDPはマイナス成長となった前期に引続き低迷が見込まれ、4-6月期も低成長となる可能性が高いとみている。
 日銀がマイナス金利の導入をしたにも関わらず、インフレ率の動きが鈍い背景には、鈍い賃上げにより個人消費の動きが弱いこと、米中を中心とした世界経済の減速、さらに労働力人口の減少から潜在成長率が低下しているとみられることなどがあげられよう。しかしながら、このような問題は、金融政策で解決すべき問題ではないが、日銀は日本のインフレ率に対して責任を負っているため行動をとる可能性が高い。
効果が薄いとしても日銀が追加金融政策を継続し、円安が進むとすれば、企業業績の改善や輸入物価の上昇からインフレ率の押し上げ効果が見込まれるが、現状では期待しにくい状況といえよう。このような環境下では安定的な金利が得られる資産(超長期国債・J-REIT)が注目を集めそうだ。株式の減配リスクが高まるなか、特にJ-REITにさらに人気が高まるとみる(記・高島正幸)。

2016年04月

2016年04月28日

「市場を診る」


 日銀は、金融機関が資金を預ける当座預金の一部にマイナス金利を適用しているが、4月22日に金融機関への貸し出しにも、マイナス金利の適用を検討と報道された。
 金融機関の収益悪化をマイナス貸出金利によって相殺し、銀行の貸し出しを促す政策を検討している。これは金融機関の積極的な資金貸し出しと企業の設備投資及び資金運用を促す目的があり、今後、企業が積極的な設備投資を行い、借入額を増やしてくるかは日本経済にとって重要となる。先週末の日銀金融政策決定会合では追加金融緩和が期待され、市場も追加緩和を見込んでいた参加者も多く、現状維持の判断に株式相場は大きく調整した。
 マイナス金利政策の導入効果を見極める為に、今回の追加緩和策は見送ったと思われるが、米国の早期利上げ観測の後退もあり、次第に底堅い動きになるだろう。

2016年04月15日

「市場を診る」


 日経平均は8日に一時1万5500円を割り込んだものの、先週は原油価格の上昇に伴う欧米株高や円高一服などを追い風に持ち直しの動きとなった。ただ、足元では投機筋の円買いポジションが膨らむなど、ドル円相場の動向は予断を許さない。今月末に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)まで、為替市場に左右されやすい展開が続こう。17日に予定されている主要産油国会合で、原油の増産凍結に合意することが見込まれているが、市場では既に織り込み済みとみられ、会合後の原油価格の動向にも注意を払いたい。
 今週は国内外で企業の決算発表が相次ぐが、国内企業は期初時点で保守的な業績計画を発表する傾向が強く、今期の見通しはやや厳しい内容となる公算だ。このような中でも、外部環境に影響されることなく業績を伸ばす企業への注目度が高まると予想される。

2016年04月04日

「日銀がマイナス金利を実施しているのに何故円安ドル高にならないのか?」

日銀がマイナス金利を実施しているのに何故円安ドル高にならないのか?イメージ1
『日銀がマイナス金利を実施しているのに何故円安ドル高にならないのか?』と聞かれることが多い。今日はこの点について考えてみたい。黒田総裁登場より金融緩和を実施すれば円安トレンドに入るという構図が存在していた。しかし今般のマイナス金利実施では円安トレンドが発生していない。単純な日米金利差で語れなくなってきている。『金融緩和⇒円安』のシナリオはどこへ行ってしまったのか。為替レートを考えるに当って、日本側の要因のみで決まると捉えてはならない。必ず相手国要因とグローバル要因が関係してくるのである。

米国要因
これまでは『米国利上げ⇒ドル高』の構図が存在していたが、どうやら変わってきたように思える。
3/29 イエレンFRB議長 講演
『(世界経済)見通しへのリスクを踏まえ、委員会は政策調整を慎重に進めるのが適切だと考える』
4/1 メスター クリーブランド連銀総裁 講演
『正常化に向けた緩やかな軌道を進むのが適切だと考えられる。必要とあれば追加刺激の手段がある。』
利上げに対して慎重であることが両総裁講演の共通するところだ。この慎重さがドルの先高感を弱めている。必要とあらば追加刺激ということだが、FFレート(政策金利)以外の部分を緩和的に調整するということであろう。

グローバル要因
上海G20を思い返して欲しい。
『世界経済の見通しがさらに下方修正されるリスクが増大している』
『金融財政政策および構造政策全ての手段を用いる』
『通貨の競争的な切り下げを回避する』
『機動的な財政政策の実施』
これらが共同声明に盛り込まれている。通貨については個別国の緩和的政策で一方的に通貨安に誘導することにクギをさしている。裏を返すと一方的に強くなる通貨も否定していると読むことが出来る。要は強すぎる通貨も弱すぎる通貨も作らないということだ。米ドルは『強すぎる』懸念があったゆえ、ここにきてドル高にブレーキが掛っている。

米国要因・グローバル要因と分けてみたが、米国要因もまたグローバル要因に作用されるところである。世界経済の下方リスクが中心にあって、各国がどのような対応をとるかが問題なのである。円安自体が世界経済の下方リスクに対応できる訳ではなく、日本には金融緩和・財政拡大・構造改革を含めた政策パッケージが必要とされている。このように見ると、これまでの『日銀緩和⇒円安』という単純な構図は最早通用しなくなってきていると考えられる。すでに補正予算がどのぐらいになるかといった話も出てきているが、政府や日銀がこれから世界経済の下方リスクに対してどのような出方をするのかをウォッチした方が良い。5月26日27日の伊勢志摩サミットに際して大型経済対策が打ち出される可能性が高まっている(記・横山光)。

2016年03月

2016年03月25日

「市場を診る」


 先週、ベルギーの首都ブリュッセルで連続テロが発生した。株式市場への影響は限定的に留まっており、膠着感が強かったものの底堅い相場展開となった。日米欧の中央銀行イベントを無事通過したことで、市場の関心は引き続き3月期末を意識した展開となりそうだ。配当取りや国内年金等の買い観測で、需給面での追い風が期待できるほか、5月の伊勢志摩サミットや7月に予定されている参議院選挙を控えて、政府の財政政策への期待が高まりつつある。
 2月16日より日銀によるマイナス金利政策がスタートしたことで、今後の政策期待は金融政策から財政政策に移ってゆくように思われる。消費再増税の凍結観測の高まりなども、支援材料になる公算だ。これにより日経平均株価は1万7000円台での値固め後に上値を試す展開が予想される。

2016年03月17日

「蘇るアベノミクス! 消費税を巡って衆参同日選か?」

蘇るアベノミクス! 消費税を巡って衆参同日選か?イメージ1
 2016年の金融市場は最悪なスタートを切った。今も中国経済・欧州難民問題・中東情勢など不安要素を考えればキリがない状態だ。ただ、何かが動き出す予感がする。「アベノミクス」の復活だ。日経平均株価やドル/円相場を見ればアベノミクスの賞味期限が切れてしまったと思われがちだが、私は決してそうではないと感じている。むしろ「アベノミクスの反撃」が始まるのではないかと考える。どこにそんな根拠があるのかと批判を受けてしまうところだが、最近の安倍首相とその近辺を見ていれば「アベノミクスの反撃」が起きるのではないかと感じずにはいられない。

『首相 在任中に改憲 18年秋まで 参院選控え意欲』
『改憲へ国民議論促す=安倍首相、公約明記を強調—参院予算委』

 3月に入りこのような報道が続いている。憲法改正に関して首相が年限を示し選挙公約として掲げるのは異例である。1947年5月3日の施行以来70年近く一文字たりとも変更されなかった日本国憲法を改正するのはかなりハードルが高い。憲法改正の発議要件として衆参各議院で議員数の3分の2の賛成を得なければならない。現在衆議院では与党として3分の2を確保しているが、参議院においては遠く及ばない(衆院:68.42% 参院:56.19%、3/16現在 自公+与党系無所属として)。報道の通り首相在任中に憲法改正を実現させるには今夏の参院選での大勝と憲法改正に親和性のある野党が安倍首相に協力することが前提である。従来なら安倍首相の目指すタカ派な政治姿勢は選挙ではマイナスに働きやすい。なぜか首相は強気だ。

 安倍首相は間違いなく勝負に出ている。

 なぜ安倍内閣に対する信認が高いのか。アベノミクスで「失われた20年」を終わらせることが出来る期待があるからだ。株安・円高で一時の勢いは失っているが、これを取り戻せば参院選を大勝で終えることが出来るのではないか。ポイントは消費税にある。民主党政権時代の3党合意の呪縛によって一昨年消費増税が行われた。GDP成長率はたちどころに急降下し個人消費は冷え込んでしまった。これは明らかに失敗だったといえる。菅官房長官も2月末に『税率を上げて税収が上がらないようでは、消費税を引き上げることはあり得ない』と述べている。政権のスポークスマンとしての発言は重く受け止めるべきだ。14年総選挙で17年4月に消費税10%増税延期を掲げているため、これが再延期となれば衆議院を解散し衆参同日選のシナリオが濃厚となろう。

伊勢志摩サミット、そして反撃へ

 16日に首相官邸で国際金融経済分析会合が開催された。これは5月末に予定されている伊勢志摩サミットの議長国に向け、世界経済に対してどのように日本が貢献できるかを検討する会合だ。世界経済の低迷は需要不足にある。議長国として需要不足解消に積極的な姿勢を示さなければならない。アベノミクス第2の矢である『機動的な財政政策』を強化することが一番手っ取り早い。日銀のおかげで国債利回りを過去に例のない水準になっている。これは政府が大盤振る舞いしても構わないというサインだ(多少乱暴な言い方かもしれないが)。そんな中で消費増税などしていられない。国際金融経済分析会合で招かれたスティグリッツ米コロンビア大教授も消費増税再延期と景気対策を提言している。スティグリッツ教授の提言はまさに「アベノミクスの反撃」そのものであった。サミットでの日本側の提言がどのようなものになるか楽しみである。憲法改正というかなり高いハードルを自ら課したのだから、「アベノミクス」の熱狂をもう一度起こすしかない。マーケットは政策転換(消費増税再延期)に一時戸惑いを見せるかもしれないが、次第に好材料として織り込むことを期待したい。(記・横山光)

2016年03月11日

「ECBは追加金融緩和を決定」

ECBは追加金融緩和を決定イメージ1
 欧州中央銀行(ECB)は10日、追加金融緩和を決定した。政策金利を引き下げたことに加え、量的緩和の規模拡大、新型の長期資金供給オペの導入などを発表。一部ではある程度予想されていたが、新型の長期資金供給オペの導入(新型の4年物の長期資金供給オペを6月から導入)までの踏み込んだことは予想を上回る金融緩和といえるだろう。これを受けて、為替市場は一時ユーロ通貨が売られたが、その後のドラギECB総裁の会見で、追加の利下げを想定していないと発言したため欧州株式市場は下落、為替市場はユーロ高、円高の動きとなった。
 先進主要国で量的緩和を導入した国(日本・米国・英国・ユーロ圏)は全て足元で低いインフレ率に苦しんでいる。足元で原油価格底入れしていることはインフレ率の回復にとっては好材料であろうが、2%程度という各国の目標には程遠い状況である。この背景には先進国の潜在成長率が低下しており、格差問題の深刻化によって低賃金労働が増加していることや金融危機後に過度に金融緩和を実施したため過剰供給能力の整理が十分に進んでいないことなどが考えられる。ただこれらは、短期間に解決できる問題ではないのがポイントである。
 さらに、会見でドラギ総裁の追加利下げを想定していないとの発言は、マイナス金利が金融機関の収益悪化を通じて、貸出し抑制が低インフレ率の継続に繋がるリスクを懸念した可能性が高いが、今回の金融政策でも景気押し上げやインフレ率の改善効果はまだまだ乏しい状況が続きそうな状況ではないだろうか。
 供給された資金は、国債や不動産など資産市場にさらに流れ込む可能性があるが、行き過ぎのバブルにも注意が必要だ。今回、金融緩和による景気押し上げ効果が乏しいとなれば、年後半にも再度ECBによる追加金融緩和圧力は高まることになろう。
 これらを踏まえると今後の為替市場は、今回のマイナス金利政策の継続と量的緩和の強化に加え、投機筋のユーロ売りポジションの整理も進んでいためユーロ相場の上値余地は乏しいと思われる。しかし、米国経済の鈍さからドル高圧力を弱まっているため、ユーロ相場の下値も限定的で、横ばいの推移の可能性が高いとみる。
 一方、追加利下げの余地という点では、日銀にはまだ余裕があり追加緩和の思惑は大幅な円高を抑える動きとなろう。(記・高島正幸)。

2016年03月04日

「市場を診る」


 アメリカ大統領の候補者選びががぜん熱を帯びてきた。トランプ氏の予想外の躍進に、ウォール街をもとより、世界の投資家の多くは違和感を持って見ている。特に最大の山場となるスーパーチューズデーの結果は、民主党のクリントン氏が7勝しリードを広げ、一方の共和党のトランプ氏も7勝して、共和党の大統領候補者に決定することが現実味を帯びてきたからだ。トランプ氏がアメリカ大統領になった場合には、日本の防衛・経済・社会は相当の影響を受けると考えられる。
 政治における安倍総理の軍備強化路線を助長する自主防衛政策の促進や日米貿易での日本が不利になる条件の要求、日本が排他的で差別的な社会になるなど、今後のマーケットへの影響も想定しなければならない。アメリカの新聞がトランプ氏は大統領としてふさわしくないと猛烈な攻撃をしているが、トランプ氏の勢いは衰えず、11月まで戦々恐々とした日が続く可能性は高い。

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