
大転換の時代
原田武夫著
ブックマン社
定価:1429円+税
|
 |
|
 |
| |
 |
|
 |
| |
著者のお名前は今回、初めて知った私です。外務省入省後、12年間キャリアを積まれた後、2005年に自主退職して独立系シンクタンクを立ち上げたという異色の人です。その名は「㈱原田武夫国際戦略情報研究所」。
本書を貫く鋭い分析には感銘を抱くものですが、会社を立ち上げて数年の一経営者としての煩悶には共感を覚えてしまうのです。
研究所のクライアントの大多数は個人投資家。2008年の夏から経営が思わしくいかなくなったのです。
色々な試みや経費削減をするものの、「まさに溶けていく(メルトダウン)感じ。経営者である私の頭の中には年間目標『未達』という屈辱的な結果だけが浮かび、焦燥感が日一日と募っていった」と。
最悪の場合、会社はもって後数ヶ月。そういう中、起業以来、一貫して中核を担ってきた社員が策動を始めたというのです。
原田氏は研究所の「構造改革」を一気に進め、くだんの社員は自ら社を去ることを申し出る。
このひと夏の経験ゆえに、業績は回復し始めたというのです。
そういう一経営者としての体験談もさることながら、大転換時代を論じる著者の論旨は興味深いものがあります。
デフレの時代に有利なのはキャッシュを持っている人・組織・団体であり、それは日本。これからはまず、日本を中心として東アジアに対する投資を迅速に行うべき。高騰する可能性があるのは有価証券(株式・債券)。日本マーケットでは株式が主体となった相場ば見られることになるだろう。銀行セクター復活、輸出関連企業、物流、航空、不動産。土地価格の高騰に拍車が掛かる。
日本の「ケータイ技術」がもてはやされ、ゴールド(金)にも再びチャンスが。貴金属と不動産は一定の割合でポートフォリオに入れるべき。
種々の「恐慌本」や「悲観本」が出回っている中、注目すべき論旨であると思われます。
|
|
 |
|
 |
|
|
 |
|
 |
|


ありがトン
澤登 和夫著
価格: 500円(内税)
|
 |
|
 |
| |
 |
|
 |
| |
どなたかのメルマガで本の存在を知り、取り寄せました。
著者の澤登和夫さんはもうすぐ35歳。「さわとんメンタルカウンセリング」代表で、うつ専門のカウンセラーだそうです。
社会人になって数年後にうつ病と診断され、以後5年半にわたり、山あり谷ありの生活。そして2007年には難病の潰瘍性大腸炎により、大腸全摘出。
過去の自分と同じように辛い思いをしている人の支えになりたいと、2008年にうつ専門カウンセラーとして起業されたようです。
この絵本は、著者の実話に基づいたオリジナルストーリーで、「毎日が不安で家から出られなかった時、『こんな本があったらよかったなって、自分自身が思えるようなストーリー」を書かれたと。
一生かけて、「当たり前のことに『ありがとう』が言える社会を創ります」と決意されているようです。
なお、公式ホームページのアドレスは、http://arigaton.com です。
|
|
 |
|
 |
|
|
 |
|
 |
|

鈴木直樹著
シルバー印刷 |
 |
|
 |
| |
 |
|
 |
| |
著者は現在、愛知県立刈谷工業高等学校の校長先生であり、平成16年に同県として初めての民間人校長として鶴城丘高校に赴任した方です。
福井経済同友会の招聘で、2月4日(水)の「第2回福井県高等学校教頭会と経済人との懇談会」席上、ご講演を頂きました。「光りだした原石 ~学校が変わった~」というテーマでです。その際、参加者が頂いた書籍です。
最初に赴任した学校は、当時かなり荒れていて、地域の人たちからは見放されていたそうです。4割の生徒が退学するクラスもあったのだとか。
鈴木校長先生は、㈱豊田自動織機に約20年間勤務された経験から、トヨタで学んだ「障子を開けてみろ、外は広いぞ」と「ジャスト・イン・タイム」の二つの言葉を胸に秘めて改革に取り組まれました。
最初の言葉は豊田佐吉のそれで、「常に新しいことにチャレンジしていこう」という意味で、二つ目の言葉は「必要なモノを、必要な時に、必要な量だけ供給する」という意味だそうです。
教育に置き換えてみると、「自分の持った目標に対して必要なこと(学習や部活動)を必要な時に必要な量だけする」ということだとか。
また、生徒さんが自分の学校を卑下している現状があったため、農業、工業、商業、普通科がある多様性では日本一であると考え、あらゆる機会に「日本一の学校だ」とアピールし続けたのだそうです。それをPTAの保護者にも頼み、やがて「レゾナンス(こだま)」効果となって、地域での評価も上がっていきます。
その他、様々な取り組みを始める中で、学校は蘇っていったようです。「後書き」に書かれてあることは、「そうか、わかった。鶴城丘高校自体が一個の大きな原石だったのか」ということと、「教育は裏切ったりしない。先生はみんな頑張っている」ということです。
人材育成という点では、学校も企業も同じだということが分かりました。
|
|
 |
|
 |
|
|
 |
|
 |
|

千載一遇の大チャンス
長谷川慶太郎著
講談社インターナショナル
価格: 1,680円 |
 |
|
 |
| |
 |
|
 |
| |
「恐慌」本が多いなかで、前向きな本は一服の清涼剤です。
著者は著名な評論家で、80歳を超えてなおご活躍中です。鋭敏な感覚を保ち続けている点はすごいと思います。
著者は、日本は諸外国と比較すると金融危機を避け得ている方の国であり、それは十数年前のバブル崩壊の経験からリスクに慎重になっていたことがあるとしています。
また、「円キャリートレード」の巻き戻しゆえの円高と同時に、外国人による日本株の現金化による株安が起こったが、日本株は必ず買い直されるだろうとしています。
さらには日本の製造業の技術力の素晴らしさを論証し、環境保全産業でますますニーズが高まるだろうとしています。
米国についてはその一極支配体制は続くし、これからはますます米ドルの威信が高まっていくだろうと論じています。
基本的には21世紀はデフレ基調となり、2009年は世界的な同時不況の年となることは避けがたい。また、デフレが続くかぎり余裕資金はますます膨れることになり、再び「バブル」発生の原動力となる可能性があるとしています。
最後に、21世紀は平和が長期間継続する、人類には大変明るい時代であるとして、締めくくっています。
他の「恐慌」本と違うのは、米国の今後の地位とドルの威信の点。平和が続くか戦争が起きるかの点。デフレかインフレかの点。見る観点が異なる場合もあるようですが、恐慌本と楽観本。頭の中で論争をしてみたいと思います。
|
|
 |
|
 |
|
|
 |
|
 |
|

2009年 資本主義大崩壊!―いよいよ断末魔の最終章が始まった
船井幸雄著
ダイヤモンド社
価格: 1,575円
|
 |
|
 |
| |
 |
|
 |
| |
衝撃的なタイトルです。
朝倉慶氏、副島隆彦氏、櫻庭雅文氏、藤原直哉氏らの著書やレポートから、あるいは自身の過去の著書から引用しながら、今回の経済危機は過去の大恐慌をはるかに上回るものになると論じています。
共産主義が約20年前に崩壊したように、資本主義も今まさに崩壊しようとしているというのです。そのどちらも、「エゴの肥大と暴走」によってコントロールできなくなってきて崩壊すると。
日本の金融機関が抱える不良債権の額が明らかになり、破綻や倒産が本格化することになる。その影響は実態経済にも及び、驚くほどの売上減と業績悪化により、給与カット、人員整理、倒産の嵐が日本全国で吹き荒れることになるのだと論じています。
ただ、何度も「大崩壊」と出てくるのですが、崩壊した後の姿がどのようなものになるのかについては論及されてありません。
資本主義に代わるものとして、どのようなシステムがあるのか。
いや、どのようなシステムになったとしても、人間が変わらない限り同じことの繰り返しとなるのでしょうか。
希望は、「大難も『百匹目の猿』現象が起きて地球上の人々の意識が変われば、(中略)〝小難〟にできると思っている」とあること。
この「百匹目の猿」とは、一匹の猿が始めた一つの賢い行動が集団の中に広がり、群れ全体の新しい知恵として定着したとき、その行動は時間や空間を超えて飛び火し、同時多発的に伝わり、広がっていくという現象のことです。
希望は、「日本は、必ずやこの危機を乗り越えて素晴らしい時代を迎える中心になる」とも書かれてあることです。
|
|
 |
|
 |
|
|
 |
|
 |
|
「依存症」の日本経済 (講談社BIZ) (講談社BIZ)
上野泰也著
講談社
価格: 1,575円 |
 |
|
 |
| |
 |
|
 |
| |
みずほ証券チーフマーケットエコノミストによる著書です。
日本経済が様々なものに「依存」しているとする著者は、それを10の側面から分析しています。「女性依存」、「交際費依存」、「建設業依存」、「海外依存」、「規制依存」、「学習塾依存」、「マスコミ依存」、「預金依存」、「外国人依存」、そして「米国依存」。
それぞれの断面で日本が陥っている症状を分析し、今後の方策を占っています。
例えば「米国依存」については、米国経済が悪化しても、新興国の経済が高成長を続けるので、日本経済も一緒に悪化することはないという「デカップリング論」は誤りであったし、信用不安と景気悪化の「負の相互作用」が起きているとしています。
米国経済は、トランプで作った「カードの城」のようなものであったし、2009年中という早い段階で本格的に回復することは望み薄だと論じています。
ただ、日本は省エネ技術では主導権を握りつつあるため、こういった分野で対米戦略を考えるべきだとしています。
最後の章では、著者の郷里でもある秋田県を取り上げ、少子高齢化が進む同県を「日本の未来図」として紹介しています。
人口密度が低く、一戸建て住宅の比率が高く、刑法犯の検挙率が高く、学力テストの成績が良く、生真面目な県民性など、福井県と似ている点が多々あります。
ただ、秋田県は出生率が全国最下位であったのに対して、福井は上位に位置づけられています。
さらに秋田経済は「飛行機の高輪」であって、全国よりも遅れて成長率が上向き、全国に先んじて成長率が下がっていったとありますが、この点でも福井と似ているようです。 |
|
 |
|
 |
|
|
 |
|
 |
|
| |
 |