FPコラム未来をつくる
お金の話
2026年6月19日証券
前回は、日本が長く続いた低金利・デフレの時代から、
「金利のある世界」へと移行しつつあることをお伝えしました。
物価も金利も上昇する時代。資産運用で本当に見るべきなのは、表面的な利回りではありません。
そこで重要になるのが、「実質金利」という考え方です。
実質金利とは、
実質金利 = 運用利回り ー 物価上昇率(インフレ率)
で表されます。
例えば、1,000万円を年利1%の預金で運用した場合。(下部グラフ参照)
物価上昇率が0%なら、実質金利は1%です。この状態が続けば資産は複利で成長し、
10年後には約1,104万円、30年後には約1,347万円になります。
しかし、物価上昇率が2%であれば話は変わります。
実質金利はマイナス1%。
預金残高は増えていても、物価の上昇によってお金の価値は目減りします。
その結果、現在の価値に換算すると、10年後の1,000万円は約904万円、30年後には約739万円相当の価値しか持たなくなります。

つまり、インフレ局面では
「お金を増やす」こと以上に、「お金の価値を守る」ことが重要になるということです。
これからの資産運用では、預金金利の高さだけで判断するのではなく、
「実質的に資産価値を維持・向上できるか」という視点が欠かせません。
資産形成の目的は、単に残高を増やすことではありません。
将来にわたり購買力を維持し、自分らしい豊かな生活を実現することです。
だからこそ、インフレ率を上回るリターンを目指す。
これが、「金利のある世界」における資産運用の基本になります。
では、インフレに負けない資産運用を実現するためには、どのような金融商品を活用すればよいのでしょうか。
次回は、株式や債券などの各金融商品の特徴と、金利上昇局面における活用方法について解説します。
ますも証券 谷口 文康