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東証株価指数(TOPIX)の見直しについて

2026年9月28日証券

 日本の株式市場を代表する指数の一つである「TOPIX(東証株価指数)」が、2026年10月から大きく見直されます。
これまでTOPIXは、主にプライム市場に上場する銘柄で構成されていましたが、今回の見直しでは、スタンダード市場やグロース市場の銘柄も対象となります。 また、流動性をより重視した銘柄の定期入替が行われるため、プライム市場に上場している銘柄でも、TOPIXから除外される可能性があります。
 今回は、TOPIXがどのように変わるのか、また、私たち投資家にどのような影響が考えられるのかを、できるだけ分かりやすくご紹介します。

■そもそもTOPIXとは?

 TOPIXは、東京証券取引所が算出する、日本の株式市場全体の動きを表す代表的な株価指数です。
1968年1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額の変化を指数化しています。「時価総額加重型」という方式で算出されているため、基本的には時価総額の大きい企業ほどTOPIXへの影響が大きいという特徴があります。
 これまでは、原則としてプライム市場(旧東証一部)に上場している銘柄がTOPIXの構成銘柄となっていました。

■日経平均株価とは何が違う?

 TOPIXと並んで、日本を代表する株価指数が「日経平均株価」です。
大きな違いは、指数の計算方法と構成銘柄です。

・TOPIX:時価総額を重視して、日本の株式市場全体の動きを表す指数
・日経平均株価:プライム市場から選ばれた225銘柄を対象とする指数

 日経平均株価は、株価を基に算出する「株価平均型」の指数であるため、株価水準の高い銘柄が指数に与える影響が相対的に大きくなります。
 一方、TOPIXは時価総額を基準としているため、より幅広い企業の動きを反映する指数といえます。

■今回のTOPIX見直しで何が変わる?

 今回の見直しは、大きく2段階に分けて進められているTOPIX改革の第2段階です。
第1段階では、2022年4月の東証市場区分再編をきっかけに、流通株式時価総額が100億円未満の銘柄について、TOPIXにおける組入比率を段階的に引き下げました。その結果、TOPIXの構成銘柄数は約2,200銘柄から約1,700銘柄へと減少しました。
 そして今回の第2段階では、さらに銘柄選定の方法が見直されます。

■3つの市場が対象に

 これまでのTOPIXは、主にプライム市場の銘柄を対象としていました。
今回の見直しでは、

プライム市場
スタンダード市場
グロース市場

の3市場すべてが対象となります。

 そのため、スタンダード市場やグロース市場から新たにTOPIXに採用される銘柄が出てくる可能性があります。
一方、プライム市場に上場している銘柄でも、選定基準を満たさなければ除外候補となる可能性があります。
 最終的には、TOPIXの構成銘柄は1,000銘柄程度まで絞り込まれる見込みです。(※1)

■銘柄はどのように選ばれる?

 今回の見直しでは、主に次の2つの基準が重視されます。

① 年間売買代金回転率
 簡単にいうと、その株式が市場でどの程度活発に売買されているかを見る指標です。
売買が活発な銘柄ほど、投資家が売買しやすく、指数に連動するファンドにとっても運用しやすいという特徴があります。

② 浮動株時価総額の累積比率
 こちらは少し難しい言葉ですが、簡単にいうと、市場で実際に売買されている株式の時価総額が、全体の中でどの程度の位置にあるかを見る基準です。
今回のTOPIX見直しでは、この2つの基準を用いて、流動性や市場規模を重視した銘柄選定が行われます。(※2)

■すぐにTOPIXから除外されるわけではありません

 今回の見直しでは、市場への影響を抑えながら段階的に移行するための「移行措置」が設けられています。
2026年10月以降、除外候補となった「移行措置銘柄」は、TOPIXにおける組入比率を一度にゼロにするのではなく、四半期ごとに8分の1ずつ、8段階に分けて引き下げることとなっています。
 さらに、2027年10月には銘柄の再評価が行われます。その時点で、継続基準である「回転率0.14以上」および「浮動株時価総額上位97%以内」を満たしていれば、段階的なウエイト低減措置は停止されます。(※3)

つまり、今回の見直しによって対象銘柄が直ちにTOPIXから除外されるわけではないという点が重要です。

■投資家への影響は?

 今回の見直しによって、TOPIXに連動するインデックスファンドなどでは、組み入れる銘柄や比率が変わることになります。
 これにより、個別銘柄の株価にも影響が及ぶ可能性があります。

■新たに採用される銘柄

 新たにTOPIXに採用される銘柄では、TOPIXに連動するファンドなどから資金が流入することで、株価に上昇圧力がかかる可能性があります。

■除外候補となる銘柄

 一方、TOPIXから除外される方向となった銘柄では、組入比率の低下に伴ってファンドからの資金流出が生じ、株価に下落圧力がかかる可能性があります。
ただし、実際の株価はTOPIXの採用・除外だけで決まるものではありません。
企業の業績や市場環境、投資家の期待など、さまざまな要因によって変動するため、注意が必要です。

■企業の株主還元にも注目?

 今回のTOPIX見直しでは、流動性や浮動株時価総額などが銘柄選定の重要な基準となります。
そのため、除外基準の境界付近にある企業では、投資家からの評価を高めるための取り組みがこれまで以上に意識される可能性があります。
例えば、

・増配
・自社株買い
・株式の流動性を高める取り組み
・IR(投資家向け情報発信)の充実

など、株主や投資家を意識した施策が行われる可能性があります。
 今後は、TOPIXの銘柄入替だけでなく、こうした企業の取り組みにも注目が集まりそうです。

■銘柄リストは2026年10月7日に公表予定

 今回の見直しに伴う銘柄リストは、2026年10月7日に公表される予定です。

ただし、正式発表を前に、市場参加者の予想や思惑によって株価が動くことも考えられます。
そのため、実際の発表前後では、採用・除外の予想とは反対方向に株価が動く可能性もあります。

 また、TOPIXへの採用・除外は、企業の業績や将来性そのものを評価するものではありません。
TOPIXの採用・除外だけを見るのではなく、企業の業績や成長性、財務内容、株主還元なども含めて、総合的に判断することが大切です。

■まとめ

 今回のTOPIX見直しによって、これまでよりも『「流動性」と「市場での規模」が重視される仕組み』へと変わります。
スタンダード市場やグロース市場から新たに採用される銘柄が出てくる一方、プライム市場に上場していても除外候補となる銘柄が出てくる可能性があります。
 2026年10月から段階的に新しいTOPIXへの移行が始まるため、今後の銘柄入替や企業の株主還元策などの動きにも注目していきたいところです。

 具体的な銘柄への影響やご不明な点がございましたら、お気軽にお声掛けください。

ますも証券  朝香 俊一

引用
※1~3 株式会社JPX総研「TOPIX見直しの概要(2026年5月)」より抜粋